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PROMOTION+B様のインタビューを受けました(前編)

2023.10.18

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【P+Bインタビュー】トリビュー代表・毛 迪さん(前編)「日本初の美容医療アプリを立ち上げるためにおこなったこと」

TRIBEAU(トリビュー)は、美容医療のクリニックや施術プランを検索・予約ができたり、施術後の過程がわかる画像付きの口コミを数多く掲載しているアプリで、美容ファンから高い支持を得ているアプリです。美容医療は以前はこっそり行うものというイメージがありましたが、近年若い世代を中心に美容医療を行うことはオープンになっており、Z世代にとっても関心の高い分野といえるでしょう。そこで、株式会社トリビューの代表取締役の毛迪(もうでい)さんに、トリビューを立ち上げた背景や運営のノウハウについてお話を伺いました。

毛迪(もうでい)/株式会社トリビュー代表取締役。大学卒業後、リクルートやVCを経て2017年にトリビューを創業。 初期はプロダクト開発やマーケティング、営業を担当し、 現在はファイナンスや組織作りも含めた経営全般を管轄。

きっかけは、自身の原体験とこれから伸びていくのではないかという期待感

―毛さんの自己紹介と経歴などを教えていただけますか。

毛:出身は中国で5歳から日本で育ちました。大学を卒業したあとは(株)リクルートで、ブライダルの雑誌『ゼクシィ』の媒体の営業を2年ほどしていました。その後スタートアップなどに出資をしているようなベンチャーキャピタルで1年ほど働き、2017年にトリビューを設立して現在丸6年ぐらいになります。

―あらためてトリビューのサービスについても教えてください。

毛:トリビューは美容医療の情報収集や予約機能のあるアプリで、現在100万ダウンロードを超えています。ユーザーから投稿された口コミ情報の豊富さや詳しさに定評があり、それらを見て施術やクリニック、医師を検討することができます。トリビューを通して予約ができるクリニックは、日本全国のみならず、現在は韓国にも広げています。

―ありがとうございます。ちなみにトリビューのユーザーはどの世代が最も多いのですか。

毛:立ち上げ当初は10~20代が最も多く、現在はその方たちが年齢を重ねていくのに伴い20~30代が多いです。

―毛さんはなぜトリビューを立ち上げようと思ったのでしょうか。

毛:私は15年ほど前の、18歳の頃から美容クリニックに通っているのですが、当時は今と比べて美容クリニックに行っていることをオープンにする人はあまりいませんでした。私も誰かに相談することができず、インターネットで情報を検索していたのですが、その頃はトリビューのようなサービスもなかったので、当時流行していた匿名掲示板で調べるしかありませんでした。

しかし、誰が書いているかもわからないですし、信頼できる情報も少ない。そうした中でクリニックを決めるしかなかったというユーザーとしての体験がありました。

2012~2013年になると、中国や韓国で今のトリビューのようなサービスが出てきました。韓国は日本よりも美容医療をやっていることがオープンに言える環境で、日本でも少しずついわゆる「美容垢」といわれる美容に特化して情報を発信したり交換したりするSNSのアカウントが増えていたので、2016年頃、これから日本でもニーズのあるサービスになっていくのではないかと感じました。美容医療で過去に私の困った原体験と、これから伸びていくのではないかという期待感から、取り組みを立ち上げるに至っています。

―ありがとうございます。中国や韓国では、日本よりもたしかに美容医療に関してオープンな印象はありましたが、こうしたサービスも進んでいたのですね。

毛:はい。テキストベースの口コミサイトのようなものは以前から日本でもあったのですが、アプリ主体でしっかり写真でビフォーアフターを見れて情報を発信するサービスは日本ではまだありませんでした。

最初はサイトとしてコンテンツがない状態なので、リリースしてから1年くらいはまずは地道に口コミを集める必要がありました。口コミのサービスやアプリは、ファンがいないとなかなか大きくなっていかないと思っているので、最初に熱狂的に使ってくれる人を獲得する必要も感じました。そこでTwitterなどの美容アカウントで情報発信をしている方に「投稿してください」とDMを送っていました。その方たちは美容専門のアカウントを作るくらい美容に関して情報収集をしたい気持ちが強いので、その結果、熱量の高いユーザーが集まったと思います。

知られていないサービスの認知度を高めるために

―運営していく中で、何が一番大変でしたか。

毛:アプリはエンジニアがいなければアイデアを実現できない、という意味で初期の頃はエンジニアを集めるのが大変でした。エンジニアが増えないと開発スピードもなかなか上がっていきません。そこの開発リソースを集めてくる部分が、立ち上げのころは実績もない中で苦労しました。うまくいくかもわからない会社で、しかもエンジニアは男性が多いので、美容医療の領域についてピンとくる人も多くなかったですし。あと、初期の頃は私と数人エンジニアしかいなかったので、コードを書く以外は何でも自分でやるという感じでした。ユーザーのことを知るのもそうですし、バグがあって「今エラーが出ています」といったCS対応も自分でやっていました。

―手ごたえを感じ始めたのはいつごろですか。

毛:リリースして2年目くらいでしょうか。コンテンツが集まってきて、そうなると皆さん定期的にサイトに見に来てくれるようになってユーザーが増え始めました。

―ただ、それでも当時はまだトリビューはあまり知られていない状態だったのですよね。

毛:はい。社名も知らないしどんな人たちがやっているかもわからないサービス、という感じで、最初は警戒されることもありました。

―新しいサービスや会社を立ち上げる際にぶつかる壁ですね。それを払しょくするためにどのようなことを行いましたか。

毛:ユーザーに対して自社でオフ会を実施したりしていました。どうして私たちがこういったサービスをやっているのかを説明したり、最近やってよかった施術やお気に入りの先生についてなど、ユーザー同士で情報交換をするリアルな場の提供をしたりなどして、怪しくないサービスだということを知ってもらうようにしました。

参加者の方の中に「今日トリビューのオフ会に行ってきたよ」といった発信をしてくれる方もいたので、「変な会社じゃないんだろうな」と伝わっていきました。あとはオフ会を通して私たちも、サービスを作る上でリアルのユーザーが何に本当に困っているかといった声を聞けて、ユーザーを知る場にもなりました。

―そこでユーザーさんから出てきた要望で、毛さんが初めて気づいたことはありましたか。

毛:私も美容クリニックで困った経験を持っていたので、意外なことやびっくりするようなものはありませんでした。それよりもやはりみんなも同じようなところで困っているよね、というのがわかり、確信が持てました。

―それは例えば、さきほどおっしゃっていた情報が出てこないということや、写真付きの口コミが少ないといったことですか。

毛:はい。あとはSNSで発信をしている方がいても、時系列で投稿しているわけではないので、美容医療の情報収集はやはり難易度が高くなってしまいます。あちこちに散らばっている点の情報を頑張って集めている感じで。そのためトリビューではそこの情報を点ではなくしっかりわかりやすく収集できるようにしています。例えば、施術後1日目、2日目、3日目というように時系列で見れたり、いくらでどの先生にどんな施術をやってもらったのか、なぜこのメニューに決めたのか、という情報が的確に集められるように、投稿のフォーマットを作っていきました。

―その投稿画面の工夫は少しずつ改善されながら完成されていたのですか。

毛:はい。テキストでゼロから自由に書くのは難しいので具体的な質問形式にして、痛みの程度などもどれくらい痛いのか選択できるようにしました。

―確かにゼロからだと何を書いていいかわからないし難しいですが、フォームがあればそれに沿って入力していけばいいので、結果的に詳しくデータが集まるというわけですね。

毛:そうですね。

―ありがとうございます。美容医療をされている方の中には自らnoteなどで有料で情報公開方もいらっしゃいますが、トリビューに投稿するモチベーションを上げるために何か工夫はされていますか。

毛:おそらくユーザーにとってトリビューに口コミを投稿するメリットは、ポイントがもらえるというのが一番大きいと思います。Noteを書いて有料で公開して売るというのは、みんなが気軽にできることではないと思うのですが、トリビューなら何回か投稿するだけでも数千ポイントもらえるので、次回施術を受けるときに数千円分割引きになるというのは結構大きいと思います。それで投稿していただいている方が多いのだと考えています。

昨今美容医療にかかわらず、多くのZ世代にとって口コミ次第で行動や購入が決まると言ってもよいほど、口コミの重要性が高まっています。そういった時代のニーズとマッチして、トリビューも急成長しているのではないでしょうか。後編では、プラットフォームが荒れず良質な口コミが集まる秘訣と、美容医療に対する意識の変化などについて伺います。

◾️PROMOTION+B掲載記事より

https://note.com/promotionplusb/n/n2dc4cb0fb31e

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